2枚のホロスコープを融合させると!? 〜ロバート・ハンドのコンポジット占星術〜


目次
コンポジットチャートとは何か?
「二人の関係」を占星術で読むとき、一般的によく使われるのは シナストリー(相性占星術) です。
これは、ホロスコープを重ねて、「あなたが相手をどう感じるか」「相手があなたにどう作用するか」を分析する手法ですね。
心理的な体験や、主観的な印象を知るにはとても役立ちます。
しかしロバート・ハンドは、それだけでは関係の本質に届かないと考えました。
彼は「2人の人間が一緒になることは、“第三の生命体”になる」っていう考えを持っていました。

占星術師Yoda
ドラゴンボール的にいうと (分からない人ごめんなさい…)
2人のホロスコープを"フュージョン"させるみたいな感じです
ロバート・ハンドってこんな人

ロバート・ハンドはハーバード大学で知的史を学びました。
そこでは占星術が古代や中世の思想の中でどのような位置を占めていたかを深く研究しています。
彼にとって占星術は「個人を占う技法」以上のものであり、歴史と宇宙の秩序をつなぐ哲学的な言語でした。
1970年代以降、「心理占星術」が主流となる時代にありました。そんな中、ロバート・ハンドは人間を宇宙の一部として捉え、「関係」「社会」「歴史」といった広がりの中で理解することに価値を見出していたのです。
その延長線上で生まれたのが「コンポジットチャート」でした。

占星術師Yoda
余談ですが、インテリ層が、真剣に占星術を研究してたりする話がぼくは大好きです
コンポジットチャートの作り方
コンポジットチャートは、二人の惑星や感受点の 中点 を取って作成します。
例:Aさんの太陽が牡羊座10度、Bさんの太陽が牡羊座20度なら → 牡羊座15度が「コンポジット太陽」になります。
こうして算出されたチャートは「関係そのもののホロスコープ」になりますよね!?
ハンドはこれを“関係"という存在のホロスコープ” と呼びました
(※当サイトでは、 >>コンポジットチャートを作れるページがあるので、そちらをご利用くださいませ)

クォッカちゃん
シナストリーとコンポジットでは、どんな違いが現れるの?

占星術師Yoda
シナストリーでは、AさんはBさんをどう感じるか? BさんはAさんをどう受け取るか? ていう2人の間の関係をみる。コンポジットは、ざっくり言うと、AさんとBさんが合体したCさんという人格が、社会にどう影響していくのかが分かるんだ。
シナストリーでは、2人の間だけのエネルギーのやりとりを読むけれど、
コンポジットでは、もし2人がカップルになったら、夫婦になったら、ビジネスパートナーになったら、
社会にどう影響していくのか? などを観ることができるんです。
関係は“第三の生命体”である
占星術で「関係」を語るとき、私たちはつい「相性がいい」「相性が悪い」という単純な言葉でまとめがちです。
でもロバート・ハンドは、そのような見方を大きく超える視点を提示しました。
彼にとって二人の関係とは、単に「AとBのやりとり」ではなく、宇宙に誕生する新しい“生命体” でした。
ハンドの哲学的視点
ハンドは、ハーバード大学で学んだ知的史の素養を背景に、占星術を「宇宙の秩序を映す言語」として捉えていました。
古代・中世の占星術が「国家」「都市」「組織」といった集団のチャートを立てていたことに注目しました。
そして、こう考えたのです:
人間同士が出会い、関係を築くとき、その関係は“ひとつの存在”として宇宙に刻印される。
つまり、二人が「出会った瞬間」に関係の誕生日があり、その関係のホロスコープ=コンポジットチャートが成立するのです。
コンポジットは“社会的現実”を示す
シナストリーが示すのは、「AはBをどう感じるか」といった 主観的体験 です。
しかしコンポジットは、関係が社会にどう現れるか、外からどう見えるか を描きます。
例えば:
- コンポジット太陽が10ハウスにある → 二人の関係は社会的に注目され、公的役割を帯びやすい。
- コンポジット月が4ハウスにある → 二人の関係は家庭的で、内側に安心感を求める。
ここで重要なのは、「関係の性質は、必ずしも当事者が心地よいとは限らない」という点です。
社会にとっては“理想的なカップル”に見えても、内側の主観体験(シナストリー)が苦しいものであれば、ギャップが生じます。
ハンドは、この“ズレ”を読むことで関係の奥行きを理解できると説きました。
関係は成長する存在
ハンドは「関係もまた人間と同じく成長・変容する」と考えました。
出会いの頃はコンポジット太陽が象徴するテーマが強調され、年月とともに土星的課題が現れたり、冥王星的変容を経ることもある。
関係は固定的な「相性」ではなく、生き物のように変化するプロセスなんです。
ハンドが伝えたかったこと
ロバート・ハンドのメッセージは明快です。
- ①占星術は「当たる・外れる」ではなく、成長の地図である。
- ②関係は「良い・悪い」で裁くのではなく、どう育てるかが大切である。

占星術師Yoda
つまり、コンポジットチャートは「二人がどんな関係性を生きるか」の指針を示すものなのです。
・・さて次回は、具体的なコンポジットチャートの話をしていこうと思います。
(※当サイトでは、コンポジットチャートを作れるページがあるので、
そちらをご利用くださいませ)