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ふたご座といて座の違いを「オントロジー」で整理してみる 「風の知性」と「火の知性」

ふたご座といて座の違いを「オントロジー」で整理してみる 「風の知性」と「火の知性」

歴史・哲学, 知識・雑学, 科学・テクノロジー, 西洋占星術, オントロジー, 存在論, 意味ネットワーク, 抽象度

ふたご座といて座の違いは?


クォッカちゃん

ふたご座といて座はどちらも知性を表すけど、どう違うの?


占星術師Yoda

それには、オントロジーの“意味ネットワーク”を使って考えると、とてもわかりやすいよ。

ふたご座と、いて座の性質について、整理してみるね。

ふたご座は知的好奇心に満ちて、次々と情報を集めていくサイン。
いて座は、物事の意味や真理を求め、視野を高く広げていくサイン。

この2つのサインの、知性のスタイルの違いを、オントロジーの意味ネットワークを使って考えてみましょう。
(オントロジーは哲学や情報科学でも重要な考え方だよ――)

🌟 意味ネットワークとは?
オントロジーと抽象度の図図1.意味ネットワーク

オントロジー(存在論)は、もともと哲学で「存在とは何か」を考える学問だったのだけど、今ではAIや情報整理の世界でも重要な考え方だよ。

そして、意味ネットワーク(semantic network)というのは、オントロジーの考え方を使って、言葉や概念の関係性を「つながり」として図にしたものなんだ。

たとえば、「犬」は「哺乳類」の一種、「哺乳類」は「動物」に含まれ、「動物」は「生物」に含まれる――
こうした関係を“線”でつないで、「意味の地図」のように可視化するのが意味ネットワークなんだよ。

たとえば上の図をみると、

「犬、猫、ウサギ」→「哺乳類」→「動物」→「生物」

「りんご、みかん、レモン」→「果物」→「植物」→「生物」

みたいに、「上下関係」をもった意味のネットワークがあるのが分かるよね。

🌟 「抽象度が上がる」ってなに?

”抽象度”というのは、オントロジ-でよく使われる Level of Abstraction という英語を訳したものだよ。

抽象度が高い、というのは、より抽象的ってこと。

例えば・・

「りんご」「みかん」「レモン」……これらはすべて「果物」ですね。

「りんご」→ 具体的で身近な言葉

「果物」→ 複数の具体物をまとめた、少し抽象的な言葉

「植物」→ さらに上の、もっと広い意味を持った抽象的な言葉

このように、言葉の意味がだんだん「広く・大きく・ざっくり」になっていくことを抽象度が上がると言います。


占星術師Yoda

意味ネットワークの上にいくほど抽象度が高くなる。そして下にいくほど、抽象度が低くなる(=具体的になる)ってこと

今回のコラムでは、この図を使って、「ふたご座といて座の知性の違い」を見つめ直していきます。


ふたご座は「風の知性」、いて座は「火の知性」


クォッカちゃん

意味ネットワークについては分かったけど、ふたご座、いて座とどう関係するの?


占星術師Yoda

それをこれから説明をしていくね。

ふたご座は“横に広げる”風の知性
ふたご座といて座とオントロジーの意味ネットワーク、抽象度図2.意味ネットワークと、ふたご座、いて座の動き

図でいうと、「犬」「猫」「ウサギ」「ワニ」「サケ」「たんぽぽ」など、まったく違うジャンルの知識を横断的に集めていきます。

そして興味の赴くままに、複数ジャンルをまたいで情報を得ていく。
集めた情報は、具体的で、多種多様です。

ふたご座のこの動きこそが、意味ネットワークの下層ノード(具体的なもの)をたくさん拾い集める動きなのです。

いて座は“上にのぼる”火の知性

そして、
いて座は、「集めた知識を、ひとつ上で統合する」サインなのです。

  • 「犬と猫とウサギ、全部まとめて“哺乳類”だよね」
  • 「哺乳類や魚類も、まとめて“動物”」
  • 「動物と植物も、広い意味で“生物”」

というふうに、抽象度を上げながら、意味を統合していきます。

いて座のこの働きは、意味ネットワークの上層ノード(抽象的な分類)へと向かう動きです。

2つの知性の協力関係

ふたご座は、知識のパーツを広げる。データを集める。

いて座は、それらを抽象化する。全体像をつかむ。

両者は対立ではなく補完関係にあります。


「知る」ことは、抽象化を呼び起こす


クォッカちゃん

意味ネットワークのお話は、3ハウスと9ハウスにも当てはまる?


占星術師Yoda

うん。3ハウスが活性化する(知る)と9ハウスも連動して活性化する(抽象度が上がる)よ。

知識をたくさん集める(双子座的な動き)と、自然に抽象度は上がってしまう――そんなことって、実際によくあります。

たとえば:

🌏 海外旅行をたくさんする人の思考の変化

はじめは「フランスのパンが美味しかった」「インドのカレーは辛かった」など、具体的な経験(=低い抽象度)を集める。

しかしあるとき、それらの共通点や対比に気づき、

「ああ、自分は“日本”という“国”に属していたんだな」と思う。

日本という存在が、「ひとつの文化・価値観を持った構造」として俯瞰できるようになる。

つまり、具体的な情報をたくさん集めていくと、やがてそれらをまとめて見る視点=抽象的視点が自然に生まれてくるのです。

♊3ハウスと♐9ハウスは補完し合う

占星術では、双子座に対応するのは「3ハウス」、射手座に対応するのはその対面「9ハウス」です。

  • 3ハウス(双子座):知識の収集、観察、比較、身近な理解
  • 9ハウス(射手座):意味づけ、信念、世界観、哲学、抽象的な理解

ホロスコープにおいて、3ハウスと9ハウスは、

片方のハウスが活性化されると、自然にもう片方のハウスも動き出す、という「呼応の関係」にあります。

つまり:

3ハウス(双子座)的に本を読み、話を聞き、情報を調べていくと…

9ハウス(射手座)的に、あつめた知識が統合され、「なるほど!アレとコレは同じものだったんだ」という気づきが生まれるわけです。


占星術師Yoda

意味ネットワークで考えると、ふたご座と、いて座の違いがスッキリ整理できたでしょ?


クォッカちゃん

そうだね♪ ちなみに抽象度を下げていく星座もあるの?


占星術師Yoda

それはおとめ座の「地の知性」だよ。うお座の「水の知性」についても、また今度、解説するね♪

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