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ノエル・ティルっぽいホロスコープ・リーディングの実践法と対話技法

ノエル・ティルっぽいホロスコープ・リーディングの実践法と対話技法

心理学, 西洋占星術, オープン・クエスチョン, カウンセリング, ノエル・ティル, リーディング, 心理占星術

シンプルなホロスコープ読みの2つの練習法

練習① 三本柱だけで構造を描くトレーニング

ノエル・ティルは、まず次の3点に絞って人物像を構築することを推奨したよ。

内容 読み解く目的
🌍 MCと支配星 社会的役割・人生の目標 どこへ向かっているか
🌙 月 感情のパターン・育ち どう感じ、どう守るか
♄ 土星 恐れ・自己防衛 何を恐れ、どこで止まるか

👉 この3点だけで「動機・反応・ブレーキ」が描けます。
以前のコラムでも書いたけど、練習法としては、「この3つだけでその人を30分語れるか?」という縛りで読み込みます。

練習② アスペクトの“セリフ化”トレーニング

アスペクトは「会話」として読むと本質が伝わりやすくなります。
例えば・・

  • 月と海王星がオポジション(0度):「私は優しさに敏感だけど、ときどきどこまで出していいかわからなくなるんだ…」
  • 水星と土星がスクエア(90度):「伝えたいけど、間違えたら怖いよ〜!」
  • 太陽と木星がトライン(120度):「自分にはもっと可能性があるんだ〜!」

占星術師Yoda

このように、象徴の意味を"セリフにする"ことで、クライアントの言葉との接点が生まれやすくなります。


会話を展開するための2つの技法

これは、ノエル・ティルが最も重視した"象徴→仮説→対話→統合”の展開法に基づいています。

対話の中で、本人の語ることと星の象徴が重なったとき、統合が起こり、クライアントは気づきを得ます。

そのとき初めて、ホロスコープはその人自身の人生に根ざすのです。

技法①: 象徴→仮説→対話→統合

たとえば、月が蟹座で4ハウスにある人に対して:

  • 1. 象徴を読む
    「かに座の月、4ハウス──これは“安心”や“家庭”がとても大きなテーマですね。」
  • 2. 仮説を提示する
    「もしかすると、“自分の居場所が守られているかどうか”が、あなたの行動や判断の軸になっていませんか?」
  • 3. 対話で深める(オープン・クエスチョン)
    「安心できる場所を守るために、あなたが自然にしていることって、どんなことがありますか?」
  • 4. 意味を統合する
    「それってまさに、“かに座の月・4ハウス”が示す“心の土台を守るための行動パターン”かもしれませんね。」

クォッカちゃん

ねぇ、オープン・クエスチョンってな〜に?


占星術師Yoda

”オープン・クエスチョン”というのは、Yes/Noで答えられな質問のことで、対話をより深めることが出来るんだよ。

補足:オープン・クエスチョンとは?
  • 「はい/いいえ」で答えられない質問
  • 語りを引き出す質問
  • その人の思考・感情・経験を深める問い

例えば、

✘「母親とは仲が悪かったですか?」と聞くと、はい/いいえ で会話が終了してしまうよね。
こうした質問を(クローズド・クエスチョン)といいます。

一方で、

✔「あなたとお母さんとの関係は、どんなものでしたか?」と聞けば、

そうですねぇ… 子供の頃はこんな関係で、でもあんなことがあって… 大人になった今は… 
・・というように会話が膨らんでいく。これがオープン・クエスチョン。


占星術師Yoda

なるべくオープンクエスチョンで質問するのがコツです!

技法②: シンプルな言葉で語ること

これは技法というよりも”姿勢”かもしれない。

シンプルなリーディングって、決して「初心者向け」ではないということを覚えておいてほしい。

あなたの読みが“正確に届いている”なら、専門用語やマニアックな知識は不要。

むしろ、シンプルな本質をつく一言には、“人の心を動かす力”が宿るのです。

ティルも本の中でこう語っています:

「本当に大切なことを1つ言いなさい。飾り立てる10の言葉よりも、よほど人の心に残る」
(Say one thing that truly matters, rather than ten things that merely decorate.)


実演! ティル式カウンセリングをやってみよう

ここでは、これまで紹介してきた「象徴を読む → 仮説の提示 → 対話で深める(オープン・クエスチョン) → 意味の統合」という流れを、クォッカちゃんがクライアント、Yodaが占星術師というスタイルで実演してみます♪

🌟 クォッカちゃんの出生情報
  • Asc:射手座
  • MC:乙女座(支配星=水星)
  • 水星:さそり座/12ハウス
  • 月:魚座/3ハウス
  • 土星:いて座/1ハウス

──テーマは「自分らしく表現することへの迷い」。

ティル式カウンセリング:対話スタート
①【象徴を読む】ホロスコープの構造を示す

Yoda

クォッカちゃんのMCはおとめ座。
「社会の中で、ちゃんとした自分でいたい」「誰かの役に立ちたい」っていう志向が強いタイプだね。そのMCを支配する水星は、さそり座で12ハウスにある。
これは、深く考える力はあるけど、それを人に見せるのには慎重になりやすい配置だよ。

②【仮説の提示】象徴がどう現れていそうかを示す

Yoda

もしかして…人前で「ちゃんと伝えなきゃ」って思うほど、言葉に詰まってしまうことってある?
「こんなふうに言ったら軽く見えるかも」みたいな感覚とか。

③【対話で深める】オープン・クエスチョンで自由な語りを引き出す

Yoda

たとえば、「伝えようとしてもうまく出てこなかった場面」って、これまでどんなときに多かった?

そこにはどんな人がいた?どんな気持ちが動いた?


クォッカちゃん

あるよ…就活の面接とか、プレゼンのとき。
すごく準備したのに、いざ話そうとすると「何を言ってるか分からない」って自分で思っちゃって。その場にいた人たちがまっすぐ僕を見てて「失敗できない」って思って、頭が真っ白になっちゃった…

④【意味の統合】象徴から意味づけを引き出し、気づきを促す

Yoda

それって、魚座の月が3ハウスにあるから「やさしさ」と「ことば」が繋がってる。だから自分の言葉が誰かにちゃんと届くかどうか、すごく気にするんだと思うよ。さらに、いて座の土星が1ハウスにあるから「ありのままの自分を表現する」ことにプレッシャーがかかりやすい。でもさ、もし“ちゃんとしなくてもいい”としたら?
魚座の月や12ハウスの水星は、もっと直感的に、考えを伝えるよう促していそうだよ?


クォッカちゃん

……そっか!ちゃんとしなくても良いんだ。
ぼく「ちゃんとしなきゃ」ばっかりで、伝えたいことがあるってこと自体を忘れてた。誰かにどう見えるか?を気にしすぎてたよ。


おわりに:ホロスコープは人生を再構築する道しるべ

ホロスコープの象徴は“地図”であって、“答え”ではない──
ノエル・ティルが伝えたかったのは、そんな哲学です。

そして占星術師とクライアントが問い合いながら“意味”を見つけていくプロセスこそ、
ティルが遺した心理占星術の本質なのです。


クォッカちゃん

占星術って、当てられるのがゴールじゃなくて、
“自分の生き方に意味を見つけていく”ものなんだね。


占星術師Yoda

うん♪ホロスコープは「道を照らす光」であって、その光をどう使うかは、クォッカちゃん自身が決めていいんだよ。

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