ユングの「アーキタイプ」で、天体の象意を深掘りしてみる


目次
アーキタイプとは?

クォッカちゃん
そもそもアーキタイプってどんなものだっけ?

占星術師Yoda
ユング心理学に出てくる "キャラクターの型" みたいなものだよ。
● 人は誰しも「いくつもの自分」をもってる
人って、いろんな顔を持っていますよね。
たとえば、家では優しい親なのに、職場ではビシッと指示を出すリーダーだったり。
仲良しの前では明るいけど、ひとりになると不安になったり。
こういう「いくつもの自分」って、どれも本当のあなた。
ユング心理学では、そうした内側にいる“キャラクター”たちを「アーキタイプ(元型)」と呼びます。
たとえば…
- 戦いたい気持ちは、ウォーリアー(戦士)というアーキタイプ。
- 大切な人を包みこみたい気持ちは、グレートマザー(母のような存在)のアーキタイプが顔を出している。
- ふと湧き上がる不安や怒り、嫉妬心――それはシャドウ(影)のアーキタイプが動いているサイン。
- 困難に立ち向かうときに出てくるのはヒーロー(英雄)のアーキタイプ。
- ちょっとひねくれたいたずら心にはトリックスター(道化)のアーキタイプ、などなど…。

占星術師Yoda
つまり、アーキタイプって「無意識の奥にある、普遍的なキャラクターの型」みたいなもの。
● アーキタイプは、神話や昔話、夢の中にも出てくる
👉 シャドウ
たとえば、宮崎吾朗監督の映画『ゲド戦記』は、ユング心理学でいうところの「シャドウ(影)」との遭遇を描いてる。
自分の中にある恐れや欲望を無理に抑え込むのではなく、それを見つめ、受け入れていく――そんな深い心の旅が描かれているんです。
👉 トリックスター
「トリックスター」は、変化をもたらす存在。常識をかき乱し、物語の流れに予期せぬ展開を生み出すアーキタイプです。
物語の中では、
◉『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウ、
◉『西遊記』の孫悟空、
◉『アラジン』のジーニーなども、トリックスター的な役割を果たします。
👉 オールド・ワイズマン
「オールド・ワイズマン(老賢者)」は、内なる導師だったり、精神的な導き手を象徴するアーキタイプ。
神話や物語の中では、
◉『ロードオブザリング』の魔法使いガンダルフや、
◉『ハリー・ポッター』のダンブルドア、
◉『千と千尋の神隠し』のハクなどのキャラクターがそれに当てはまる。

クォッカちゃん
「千と千尋」のハクって少年だけど、オールド・ワイズマン(老賢者)のアーキタイプなの?

占星術師Yoda
鋭いねぇ! じつはアーキタイプは、象徴的・機能的な役割を表してて、実年齢とか見た目は関係ないんだ。だからハクは少年だけど、主人公を導く存在だからオールドワイズマン(老賢者)だよ。ていうかハクって見た目は少年だけど神様じゃなかったっけ!?
リズ・グリーンは、アーキタイプと占星術を結びつけた
心理占星術の第一人者、リズ・グリーンは、ユングのアーキタイプと、占星術の象徴を結びつけた。
(実際は、ユング自身もホロスコープに興味を持ち、アーキタイプとしての天体に深い関心を寄せていました)
たとえば…
- 火星は「ウォーリアー(戦士)」
- 火星は「ウォーリアー(戦士)」
- 月は「グレートマザー(母のような存在)」
- 土星は「シャドウ(深いところに潜む影)」
・・って感じに。
ユングやリズ・グリーンは、「占星術は運勢を当てるためのものじゃなくて、心の状態を読み解くためのツール」だと考えた。

占星術師Yoda
つまりホロスコープは、アーキタイプが散りばめられたマップってわけだ!
● 天体ごとに対応するアーキタイプ
占星術では、10の主要な天体がよく使われますが、リズ・グリーンはそれぞれの天体に、アーキタイプが宿っていると考えました。
ここでは、代表的なものをわかりやすくまとめてみますね。
天体 | 対応するアーキタイプ | キーワード |
---|---|---|
太陽 | ヒーロー(英雄) | 自己、創造性、アイデンティティ |
月 | グレートマザー(母) | 感情、安心感、内的欲求 |
水星 | トリックスター(道化) | 知性、言葉、流動性 |
金星 | アニマ(内なる女性像) | 愛、美しさ、引き寄せ | 火星 | ウォーリアー(戦士) アニムス(内なる男性像) |
闘争心、行動力、本能 |
木星 | セージ(賢者) オールド・ワイズマン(老賢者) |
叡智、導き、精神的成長 |
土星 | シャドウ(影) | 制限、恐れ、試練 |
天王星 | リベレーター(革命家) | 自由、変化、覚醒 |
海王星 | ミスティック(神秘家、夢見る者) | 幻想、融合、直感 |
冥王星 | トランスフォーマー(変容者/冥界の神) | 死と再生、潜在意識、力 |
● アーキタイプから天体を深く理解しよう
ここまで、アーキタイプと天体の関係をざっくり見てきました。
でも実は、それぞれのアーキタイプには、もっと奥深い“物語”があります。
たとえば、金星に対応するアニマ(内なる女性像)は、どんな魅力や影を抱えているのか?
火星のウォーリアー(戦士)は、どうして怒りを燃やすのか?
そうした背景を知ると、天体の意味が単なる「キーワード」じゃなくて、
まるで心の中に住んでいるキャラクターのように感じられてきます。
参考記事: