おとめ座といて座の違いを「オントロジー」で整理してみる


目次
おとめ座は抽象度を下げるサイン
まずは復習。
前回、ふたご座といて座の違いを、オントロジーの概念の階層構造で整理しました
以下の図1のように、
概念を横に集めていくのがふたご座、
それらを統合して抽象度を上げていくのがいて座でしたね。

概念の階層構造を下に広げるのがおとめ座
今回は、おとめ座です。
図2のように、これは抽象度を下げていく方向の動きとなります。
つまり犬ならば、以下のようにさらに、さらに細かく分類していきます。

🍊 みかんで例えると・・
- ①みかん、レモン、グレープフルーツ、ゆず、すだち、かぼす… と横に集めていくのがふたご座の性質です。
- ②そして、(みかん、レモン、グレープフルーツ…) → 柑橘類! とひとつ上の抽象度で統合するのがいて座の性質。
- ③みかんをさらに詳細に分類するのが、おとめ座の性質です。
■ みかんを、おとめ座的にみると・・?
- 温州みかん:一般的な冬みかん
- 夏みかん:酸味が強く春〜夏に出回る
- 甘夏:夏みかんの甘味品種
- デコポン(清見×ポンカンの交雑)
- ポンカン、日向夏、はるみなど、多くの交配種
このように、みかんをさらに分類したり、
「種→亜種→品種→交配品種」といった階層を下へと精査すること。
概念の階層構造を下向きに“枝分かれ”させていくこと。
これが、おとめ座の性質なのです。

クォッカちゃん
おとめ座の性質はけっこう分かりやすいね!

占星術師Yoda
うん。おとめ座は、いて座と逆方向の性質なんだよね
おとめ座といて座は正反対!? 〜抽象度とサイズの関係〜
抽象度とサイズには、面白い関係があります。
それは・・
「物理的なサイズのスケール」と「情報的な抽象度のスケール」は等価である。
つまり“同じ構造”だとされているんだ。
これってつまり、見るスケールが小さくなるほど、抽象度が下がっていくということ。
一方で、見るスケールが大きくなるほど、抽象度は上がっていくんだ。
♍️ おとめ座=物理的なサイズが小さくなり、抽象度が下がる
たとえば物理学では、「極小の世界を整合的に説明するには、11次元以上の空間が必要になる」と言われています。
これは、粒子のふるまいを理解しようとするだけで、どんどん次元(情報の条件)が増えていくということ。
つまり、見るスケールが小さくなればなるほど、
説明に必要な情報が爆発的に増え、抽象度が下がっていくということ。
小さく掘れば掘るほど、世界は単純ではなく、むしろ“複雑化”していくんだ。

占星術師Yoda
これは、乙女座的な知性の行き着く先を象徴しています。
♐️ いて座=物理的なサイズが大きくなり、抽象度が上がる
視点を大きく、遠くへ広げていくと、抽象度はどんどん上がっていく。
これは、「次元の巻き上げ(compactification)」と呼ばれる現象を例にすると、とても分かりやすい。
たとえば、物理空間に無限に長い円筒があるとします。
近くから見れば、それは明らかに「筒=3次元の構造」に見える。当たり前ですね。

でも、それをはるか遠くから見たらどうなるか?
・・なんと、それは一本の直線に見えてしまうのです。
つまり、巻かれている円周部分が視認できなくなり、3次元 → 1次元になってしまうわけです。
これって、天の川銀河のスケールで見ると、地球は点にすぎないのと同じです。
このように視点のスケールを大きくしていくと、細部は見えなくなり、次元の巻き上げ(compactification)が起こる。
これが、サイズが大きくなると、情報が圧縮され、抽象度が上がるということ。

占星術師Yoda
これは、いて座の知性が持つ「全体を俯瞰し、意味を統合する力」を象徴しています。
ホロスコープと現代科学は、響き合っている

クォッカちゃん
おとめ座といて座は、ちょうどスクエアの位置にあるよね

占星術師Yoda
そう。おとめ座(抽象度を下げる)と、射手座(抽象度を上げる)は同時にできないから。
おとめ座のように、細部を掘り下げて真理を追い求める知性。
いて座のように、全体を見渡して意味を統合する知性。
この正反対の知性を、西洋占星術は何千年も前から「ホロスコープ」という円の中に描いてきました。
そして驚くべきことに、現代の情報理論や物理学においても、
“抽象度とサイズ”というスケールの中に、まったく同じ構造が存在している
ホロスコープという古代の知は、現代の科学ともこんなに美しく響き合っている。
それを知ったとき、ホロスコープは単なる占いではなく、
私たちの“知のかたち”を映す、深い象徴として立ち上がってくるのを感じるのです。
参考記事: