間違ったポジティブシンキングは逆効果になりうる
ずいぶん昔の話だけど...
ネガティブな感情を見て見ぬ振りをし続けていた時期があった
その頃「もう何もやりたくない」という感情に気づいてすらいなかった
そしたら問題が起こった
うつ状態として一気に爆発したのだ
ネガティブな自分がいることを認め、受け入れていくことが大事なのだとそのとき知った
おかげさまで今は楽しく明るく暮らしているけど、
「いつもポジティブでいなければ」とか、
「いつも充実して前向きでいなければ」という思いは手放すことにした
ポジティブもネガティブも、どちらも貴重な体験であり、
そのどちらの体験も心ゆくまで味わえばいいのだと
そう思うようになったら、ずいぶん楽になっていった
● この世界は2元性の領域
この世は"2元性の領域"だと言われている
2元性とは、両極があるということ
たとえば、美しさがあるから醜さがある
もしも美しいものしかなかったら醜さという概念は存在しない
女があるから男がある
もし男女のどちらか一方しか存在しなかったら、そもそも男という概念も、女という概念も存在しない
同様に、
恐れを知るからこそ、安心を知ることができる
失敗という体験があるから、成功という体験を知ることができる
絶望があるから希望がある・・etc
そしてこの世界には、もうひとつ重要な法則がある
それは、
「片一方を執拗に求め続けると、もう一方からの反動をくらう」というものだ
たとえば、
成功を追い求めて 必要以上に執着すると、反動で失敗をしてしまう
安心感を得ようと頑張ることで、反動がおこって逆に不安になってしまう
ダイエットをしても結局リバウンドしてしまう
・・といったことが起こる
これはポジティブシンキングでも同様のことが言える
人はネガティブになったとき「いかんいかん、元気を出さなきゃ! ポジティブシンキングだ!」と考えがちだが、それは逆効果になりうるのです
● 悟り
かつてある高僧に、こんな質問をした人がいた
「"悟り"とは悩み事が解決することですか?」と
高僧の答えはこうだった
「そうじゃない、悟りとは悩み事を認識しなくなることだよ」
ある意味「どっちでもいいや」っていう状態
それが悟りだとその高僧はおっしゃったのです
ポジティブシンキングとは、
ネガティブな感情を見て見ぬふりをすることではありません
その感情があることを認めて、受け入れ、味わい、そして不要になったら手放して前に進んでいくことなのです
ポジティブもネガティブも、どちらも大切な体験であることを知ることが、その悩みを本当の意味で解消してくれます
それが生きていくということかもしれませんね